昭和医科大学の医学部長をお招きし、特別大学説明会を開催いたしました。
2026年10月24日、代官山MEDICALでは、昭和医科大学医学部長・衛生学公衆衛生学講座教授の小風先生をお招きし、特別大学説明会を開催しました。
今回の説明会では、昭和医科大学の建学の精神や特色ある教育環境に加え、2026年度入学生から導入された新カリキュラム「カリキュラム2026」、最新の教育設備、臨床実習、海外研修、医師国家試験への取り組みなど、幅広いテーマについて詳しくお話しいただきました。
さらに、医学部受験生にとって特に重要な面接・MMI・小論文の対策方法についても、大学側の視点から具体的なアドバイスをいただきました。
大学の教育方針を知るだけでなく、「昭和医科大学はどのような医師を育てようとしているのか」「そのために受験生は何を意識すべきなのか」を考える、貴重な機会となりました。
昭和医科大学が大切にする「至誠一貫」とチーム医療
昭和医科大学は、医学部・歯学部・薬学部・保健医療学部の4学部を擁する医療系総合大学です。
その教育の根底にあるのが、建学の精神である「至誠一貫」です。
小風先生は、常に相手の立場に立ち、真心を尽くす姿勢の重要性について説明されました。
医師に必要なのは、医学的な知識や技術だけではありません。患者さんの不安や思いを理解し、他の医療職と協力しながら、よりよい医療を提供する姿勢も求められます。
昭和医科大学では、この理念を実際の教育に結びつけるため、学部の垣根を越えた学修を重視しています。
その象徴が、1年次に行われる富士吉田キャンパスでの全寮制教育です。

1年次は富士吉田キャンパスで全寮制――4学部の学生が共同生活
昭和医科大学の大きな特徴の一つが、1年次の全寮制教育です。
医学部の学生も、入学後の1年間は山梨県の富士吉田キャンパスで生活します。
この寮生活には60年以上の歴史があり、医学部・歯学部・薬学部・保健医療学部の学生が同じ生活環境で学びます。
説明会では、寮の部屋割りについても紹介されました。
4人部屋には複数の学部の学生が配置され、日常生活の中で自然に異なる専門分野の仲間と交流する仕組みになっています。
将来、医師になったときには、看護師、薬剤師、歯科医師、理学療法士など、さまざまな医療職と連携することになります。
昭和医科大学では、そのための土台を入学直後から築いていくのです。
また、小風先生のお話では、1年次から基礎医学の学修や医療面接、バイタルサイン測定などにも取り組むとのことでした。
単なる共同生活ではなく、医療人としての姿勢と学修習慣を身につける1年間であることが伝わってきました。
2027年4月、鷺沼キャンパスが新たな学びの拠点に
今回の説明会では、新キャンパスについても紹介されました。
昭和医科大学では、東急田園都市線・鷺沼駅から徒歩約2分の場所に、新たな鷺沼キャンパスの整備を進めています。
説明会時点の計画では、2027年3月に竣工し、同年4月から医学部2・3年生が利用する予定とのことです。
交通アクセスに優れた新しい教育環境が整備されることは、これから入学する受験生にとっても大きな関心事でしょう。
さらに、旗の台地区では、2025年12月に完成した新実習棟に最新の教育設備が導入されています。
昭和医科大学が、今後の医学教育を見据えて教育環境の整備を進めていることがうかがえました。
最新のデジタル解剖台「アナトマージテーブル」を20台導入
小風先生のお話の中で、特に印象的だったのが、最新の医学教育設備についての説明です。
昭和医科大学では、アナトマージテーブルと呼ばれる3Dデジタル解剖台を20台導入しています。
アナトマージテーブルは、人体の高精細な画像データを用いて、身体の構造を立体的に学ぶことができる設備です。
人体の断面を細かく確認できるだけでなく、正常な臓器と疾患のある臓器を比較するなど、視覚的な理解を深める学修にも活用できます。
説明会では、脾臓の腫大や胃がんなどを題材に、病変を観察・比較できることも紹介されました。
医学部での学修は、膨大な知識を覚えるだけではありません。
解剖学や病理学などの知識を、実際の人体の構造や疾患と結びつけて理解することが重要です。
こうした最新設備を活用した教育は、医学をより具体的に理解するうえで大きな助けとなるでしょう。
2026年度から始まった新カリキュラム「カリキュラム2026」
今回の説明会で、最も詳しく紹介されたテーマの一つが、2026年度入学生から導入された**「カリキュラム2026」**です。
小風先生は、新カリキュラムの方向性を次の言葉で説明されました。
「地域から世界へ、医療を担う仲間と協働して命を支える医師を育てる」
この新カリキュラムの大きな特徴は、基礎医学と臨床医学を早い段階から結びつけ、実際の医療現場で学ぶ機会を充実させていることです。
1年次から医学の基礎と実践を学ぶ
1年次には、基礎医学の多くを学ぶとともに、模擬患者を相手にした医療面接やバイタルサイン測定などに取り組みます。
知識を覚えるだけでなく、患者さんとの接し方や基本的な診察技術も早期から学ぶことになります。
2・3年次は基礎医学と臨床医学を統合
2・3年次には、微生物学、免疫学、病理学などを学びながら、臓器別・機能別に基礎医学と臨床医学を結びつけて理解する教育が行われます。
また、気管支鏡シミュレーターを用いた実習や、心臓を使った外科手技のトレーニングなど、実践的な学修も取り入れられています。
「医学を学んでから医療現場に出る」のではなく、「医学を学びながら医療現場を知る」。
これが、新カリキュラムの重要な方向性だと感じました。
CBT・OSCEを3年次に前倒し!早期から臨床実習へ
受験生にとって、ぜひ知っておきたいのが、共用試験の実施時期です。
医学部では、医学生が診療参加型臨床実習に進む前に、医学知識を評価するCBTと、診察技能・態度を評価するOSCEを受験します。
一般的には4年次に実施されることが多いこれらの試験ですが、昭和医科大学の新カリキュラムでは、3年次の年度末に前倒しして実施するとのことです。
これにより、共用試験に合格した学生は、より早い段階から診療参加型臨床実習へ進むことができます。
説明会では、試験合格後に白衣授与式を行い、学生が「スチューデントドクター」として臨床実習に臨む流れも紹介されました。
また、2年次後期から3年次後期にかけては、週1日、医師に付き従って診療現場を学ぶシャドーイングも行われます。
特に、学生1名が指導医に付いて学ぶ仕組みは、主体的な学修を促す工夫として印象的でした。
一方、共用試験が早まることで、低学年のうちから計画的に勉強を進める必要もあります。
小風先生は、学生が勉強に集中するあまり、余暇や息抜きが不足しがちな点にも触れ、メリハリのある学生生活の大切さについてお話しくださいました。
診療参加型臨床実習と、合計6か月の自由選択期間
昭和医科大学の新カリキュラムでは、4・5年次に診療参加型臨床実習を行います。
学生は、実際の医療チームの一員として診療に参加しながら、医師として必要な知識・技能・態度を身につけていきます。
さらに特徴的なのが、合計6か月間の自由選択期間です。
説明会では、5年次の1〜3月と6年次の4〜6月に、学生が希望する分野で学ぶ機会が設けられていると紹介されました。
選択肢には、学内の診療科だけでなく、学外の医療機関、基礎医学研究、海外臨床実習なども含まれます。
将来の専門分野を考えたり、研究活動に取り組んだり、海外の医療現場を経験したりと、学生の関心に応じて学びを深められる仕組みです。
海外臨床実習にも積極的――世界を視野に入れた医学教育
昭和医科大学では、海外の大学・医療機関との交流にも力を入れています。
説明会では、ウィーン医科大学をはじめとするヨーロッパの大学との連携や、海外での臨床実習について紹介されました。
また、近年の為替環境などを踏まえ、アジア地域との連携も拡大しているとのことです。
海外実習への参加には、語学力や面接などの要件が設けられていますが、小風先生のお話では、学生の成績順位だけで機会を制限するのではなく、意欲や語学力を重視する方針が示されました。
現行の支援制度として、海外実習に参加する学生への補助金についても説明がありました。
海外の医療に触れることは、日本の医療を異なる視点から見つめ直す機会にもなります。
将来、国際的な視野を持った医師を目指したい受験生にとっても、注目したい教育環境といえるでしょう。
4学部連携によるチーム医療教育――在宅医療まで見据えた学び
昭和医科大学の教育を語るうえで欠かせないのが、4学部連携によるチーム医療教育です。
医学部、歯学部、薬学部、保健医療学部の学生が、それぞれの専門性を生かしながら、一人の患者さんにどのような支援が必要かを考えます。
今回の説明会では、在宅医療を題材にした学修についても詳しく紹介されました。
例えば、患者さんが自宅で生活を続けるためには、病気の治療だけでなく、食事、服薬、身体機能、生活環境など、さまざまな視点が必要です。
医師は病状を把握し、薬剤師は薬の使い方を考え、歯科医師は口腔機能や嚥下機能に関わり、看護・リハビリテーションの専門職は日常生活を支えます。
昭和医科大学では、こうした多職種の視点を取り入れた学修を、学年の進行に合わせて段階的に行っています。
1年次の「患者さんの思いを汲み取る」という段階から、実際の患者さんの生活を支える実践的な学修へとつなげていく仕組みです。
医療が病院の中だけで完結するものではないことを、学生のうちから学べる点は、大きな特徴といえるでしょう。
学生を支える指導担任制と、医師国家試験への取り組み
医学部では、入学後も継続的な学修が必要です。
昭和医科大学では、学生一人ひとりに教員が付く指導担任制を設け、学修面や生活面を支援しています。
また、成績面で課題を抱える学生などには、年齢の近い若手教員が学修計画や質問への対応を支援する体制も紹介されました。
説明会では、医師国家試験の結果についても率直なお話がありました。
直近の対象学年では、123名中116名が合格したとのことです。
大学では学修状況の分析を進め、卒業前の時期まで継続して学ぶことの重要性を確認していると説明されました。
医学部合格はゴールではありません。
その後の6年間で確かな知識と技能を身につけ、医師国家試験に合格し、医師として働くための準備を進めていく必要があります。
今回の説明会からは、昭和医科大学が教育内容だけでなく、学生の学修支援や国家試験対策にも向き合っていることが伝わってきました。

【受験生必見】小風先生が語る、昭和医科大学の面接対策
今回の説明会で、代官山MEDICALの生徒たちにとって特に参考になったのが、入学試験についてのお話です。
小風先生は、面接で重要なのは、準備した文章をそのまま暗唱することではなく、自分の考えを自分の言葉で説明できることだとお話しくださいました。
丸暗記した回答より、自分の言葉で伝えること
医学部受験の面接では、志望理由や医師を目指すきっかけ、将来の目標など、さまざまな質問が想定されます。
そのため、あらかじめ回答を準備しておくことは大切です。
しかし、回答を丸暗記するだけでは、質問を少し変えられたときや、追加の質問を受けたときに対応できなくなる可能性があります。
小風先生は、AIなどで作成した模範的な回答をそのまま覚えるのではなく、自分自身の経験や考えに基づいて、論理的に説明できることの重要性を強調されました。
また、知識を必要以上に披露しようとすることや、一方的に長く話し続けることが評価につながるわけではないというお話もありました。
わからないことを質問された場合には、無理に取り繕わず、正直に伝えることも大切です。
医学部の面接で求められるのは、単に上手に話す能力ではありません。
相手の質問を理解し、誠実に向き合い、自分の考えを筋道立てて伝える力が重要なのだと感じました。
一般選抜Ⅱ期のMMIは「2分で考え、3分で伝える」
昭和医科大学の一般選抜Ⅱ期で実施されるMMI(Multiple Mini Interview)についても、具体的な説明がありました。
小風先生によると、MMIは4つのステーションを巡る形式で、各ステーションでは課題を確認する時間が2分、考えを発表する時間が3分という構成です。
医療に関するテーマだけでなく、医療以外のテーマが扱われることもあります。
限られた時間の中で課題を読み取り、自分の考えを整理し、相手にわかりやすく伝えることが求められます。
ここで重要なのは、知識量だけではありません。
初めて目にする課題に対して、短時間で論点を整理し、筋道立てて説明する力です。
MMIの対策では、さまざまなテーマに触れるとともに、実際に時間を計りながら説明する練習が有効でしょう。
小論文は「サンドイッチ形式」で論理的に書く
小論文についても、小風先生から実践的なアドバイスをいただきました。
説明会では、600字程度の小論文を想定し、「サンドイッチ形式」で文章を構成する方法が紹介されました。
具体的には、次の流れです。
① 最初に自分の立場・結論を明確に示す
② その結論を支える根拠を2つ程度挙げる
③ 必要に応じて反対意見にも触れ、自分の考えを補強する
④ 最後に結論を改めて示す
例えば、AとBのどちらを選ぶかという設問であれば、どちらの立場を取るのかを最初に明確にし、その理由を論理的に説明することが重要です。
両方の意見を並べるだけで、自分の立場が曖昧になってしまう文章は避けたいところです。
また、内容だけでなく、誤字脱字や漢字の使い方にも注意が必要であるとのお話がありました。
小論文で求められるのは、難しい表現を並べることではありません。
限られた文字数の中で、自分の主張を明確にし、その根拠を読み手に伝わる形で整理することです。
医師に求められるのは、知識だけでなく「場面に応じた判断力」
説明会では、学生生活やクラブ活動、身だしなみについてもお話がありました。
昭和医科大学では、学業だけでなく課外活動にも取り組む学生が多く、部活動を通じてさまざまな経験を積むことができます。
また、髪色や身だしなみについては、学生生活の場面と、患者さんの前に立つ臨床実習の場面では、求められる基準が異なることも説明されました。
医療現場では、患者さんに安心感や信頼感を持っていただくことが大切です。
そのため、医療人としてふさわしい身だしなみや態度を、状況に応じて判断する必要があります。
こうしたお話からも、昭和医科大学が医学知識だけでなく、医療人としての姿勢や社会性を重視していることがうかがえました。

昨年度の推薦入試に関する報告について
今回の説明会では、昨年度の推薦入試において公開した数学の解答に誤りがあった件についても、小風先生から報告とお詫びがありました。
説明によると、問題自体に誤りはなかったものの、公開した解答について指摘があり、全答案の再採点を行った結果、3名を追加合格とする対応が取られたとのことです。
大学側からは、関係者への謝罪とともに、再発防止に取り組む旨が伝えられました。
入学試験の公平性と正確性は、受験生にとって極めて重要です。
今回、大学説明会の場でこの件についても説明があったことを、報告しておきます。
医学部合格の先を見据えて――昭和医科大学が育てようとしている医師像
今回の説明会を通して印象的だったのは、昭和医科大学の教育が、単に医師国家試験に合格するためのものではなく、実際の医療現場で活躍できる医師を育てることを目指しているという点です。
1年次の全寮制教育によって、異なる学部の仲間と協力する姿勢を身につける。
早期から基礎医学と臨床医学を結びつけ、実践的な技能を学ぶ。
共用試験を3年次に前倒しし、より早く診療参加型臨床実習に進む。
さらに、海外臨床実習や研究活動を通じて、自分自身の可能性を広げていく。
こうした一連の教育には、昭和医科大学が掲げる「地域から世界へ」という方向性が表れているように感じました。
また、面接や小論文についてのアドバイスからも、大学が受験生に求めているのは、単なる知識の多さだけではないことが伝わってきました。
自分の考えを持ち、相手の立場を理解し、論理的かつ誠実に伝えること。
それは、入学試験だけでなく、将来医師として患者さんや医療スタッフと向き合う際にも必要な力です。
代官山MEDICALより
代官山MEDICALでは、医学部合格を目指す生徒たちに、入試対策だけでなく、各大学の教育方針や医師としての将来像について考える機会も大切にしています。
今回、医学部長である小風先生から直接お話を伺えたことは、生徒たちにとって、昭和医科大学への理解を深める貴重な機会となりました。
特に、新カリキュラムの具体的な内容や、面接・MMI・小論文で求められる考え方は、これから受験に臨む生徒たちにとって大きな学びになったと思います。
大学の特色を正しく理解し、その大学で何を学び、どのような医師を目指したいのかを考えることは、志望校選びにも入試対策にもつながります。
代官山MEDICALでは、今後もこうした大学説明会を通じて、生徒たちが医学部合格の先まで見据えられるよう、サポートしてまいります。
最後になりますが、ご多忙の中、代官山MEDICALにお越しいただき、貴重なお話をしてくださった昭和医科大学医学部長・衛生学公衆衛生学講座教授の小風先生に、心より御礼申し上げます。
※本記事は当日の大学説明会の内容を基に構成しています。カリキュラム、施設整備、入学者選抜方法等は変更される場合があります。出願にあたっては、必ず昭和医科大学の最新の公式情報・学生募集要項をご確認ください。



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